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きよ農園をめぐる話
この度、きよ農園では果物以外のものを扱う事にしました。
なぜ果物以外?と思われることでしょう。
そのストーリーを少しずつ紐解いてお話していきます。
〇きよ農園は2名+お手伝い1名
きよ農園は、元中学教師の母・喜代子と
普段は大阪で働いている休日農家の息子を中心に、
SNS発信のお手伝いで、息子の友人のインスタ好きの3名で
小さく運営しています。
〇きよ農園の生い立ち
紀の川市で祖父の代から3代続く兼業農家ですが、
3年ほど前の母・喜代子の手術を機に息子が手伝う様になりました。
自然との対峙の中で、美味しい実を成らせる工夫などの面白さなどを
感じる反面、出荷にまで至らないロスの多さを改めて実感するところとなり、
少しでもこの食品ロスを減らしていけないかと、直販をスタートさせました。
〇きよ農園の年間スケジュール
農園での取扱いの果物は、秋口~春先に収穫・出荷する果物が多く、
春からは、肥料やり、摘蕾、徒長枝、消毒、草刈りなどの美味しい実を
つけてもらうための下準備が中心です。
農家さんたちがいつも当たり前の様にしている農作業というものは、
なかなかの重労働で、土にまみれながら、汗をかきながら、
時には筋肉痛になりながら、
日々果物の成長にあわせた対応をしていきます。
なぜ、きよ農園のなかみについてお話しをしたか。
それは、息子が15年ほど勤め上げてきた仕事と関わります。
〇息子の本業
息子は現在、大阪で平日は会社勤めをしておりますが、
15年程、繊維製造の道を歩んでまいりました。
時に、現場の実務にも携わりながら、
企画・開発、営業をとこなしてきた、
その道のプロフェッショナルです。
そんな中、実際に中心となって農作業を始めてみて、
猛暑の中の作業で汗をかく機会が多くなり、
色々なタオルで汗を拭くなか、
次第にこんなことを思い始めます。
「もっと農家に最適な汗ふきタオルが、あったらいいのに」
そんな思いをカタチにすることにしました。
生地を作る、糸を作る。
思った商品を作るためには、生地を作ります。
理想の生地を作るために、糸から作ります。
〇3本の太さが違う糸が絶妙に絡み合う糸づくり
綿100%出来た太さの違う3本の糸を、
特殊な撚り(より)を掛けて1本の糸を作ります。
※画像補足説明
上のそれぞれ細さの違う3本を一本の糸に仕上げます。
下の糸が完成品です。
小幅織機で生地を織る
この糸を緯糸(ヨコ糸)として、小幅織機にかけて生地を織っていきます。
〇小幅織機とは
この小さい織機は「小幅織機」と言われる、日本の生活に密着してきた伝統的な織機です。
手拭いや、浴衣などに使われる生地の幅は基本的にすべてこの巾で織られています。
こちらの織機で織られた生地は、両サイドの生地が少しだけ厚く丈夫に織りあがります。
裁断や縫製などの無駄をなくした生地が仕上がります。
先人たちの知恵ですが、一切の無駄を省いたスマートさを感じずにはいられませんね。
1日に20メーター程しか織れない旧式の織機ですが、その分、糸に無理なテンションが掛からず、
柔らかい風合いに仕上がります。
和晒しで生地を仕上げる
織りあがった生地は、糊抜きの工程を経て、生地として完成します。
こうして幾つもの工程をかけ、
やわらかな白の美しい生地になります。
〇糊抜き(和晒し・わざらし)とは
織物は、生地を織るために糸に糊をつけております。
生地が仕上がった段階では、まだ糊が付いたままになっており、
加工したり使用するには向いていない未完成の状態です。
糊落とすのに「和晒し」という、こちらもまた日本の独特の方法で糊を落としていきます。
大きな桶の中に、布を広げるようにして入れ、
酵素の力を使ってじっくり一昼夜かけて糊を分解して落としていきます。
デザインをおく、完成形に仕上げる
やわらかな白の美しい生地にデザインを置いていきます。
デザインのモチーフは、プリズムに反射した自然の光を表現しています。
〇顔料プリント
顔料プリントという方法で、プリントをします。
プリントをした後に、熱でプリントを定着させる方法を取るため、
洗いをかけるたくさんの水を必要とせず、水を汚さない手法です。
〇裁断・縫製・加工・検品
裁断・縫製・加工・検品は一工程ずつに、それぞれ専業の職人がおり、
一枚づつ手作業で工程を踏み、一つの商品として完成します。
こうして出来上がったのが
Farm Muffler(ファームマフラー)
農家が農家さんのために作った汗取りマフラーです。
ファームマフラーの特長
・綿100%とは思えない「さらり・しゃりっ」とした肌触り
・長さからは想像できない「ふわっ」とした軽さ
・明日の朝には乾いてる「乾きの早さ」
・首にまいても、頭に巻いても巻き易い「長さ110㎝」
・檜エキスによる抗菌・防臭加工
・虫が寄りにくい防虫加工
など、
農家の「欲しい」がこの一枚にギュッと詰まっています。
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